こんにちは。キャリアコンサルタントの横山遼です。
本日は「対話」について、です。
1on1カンファレンスに登壇しました
先週の土曜日に、「対話による人の支援」がテーマのカンファレンスに登壇しました。
他の登壇者は臨床心理士やカウンセラー、企業内で1on1を推進するマネージャーや、人事責任者など。
なかなかそうそうたるメンツで、登壇前夜は少し吐きそうでしたが、意外とオンラインの登壇でも参加者からのリアクションが多く、とても励みとなり、がんばれました。
で、やはり皆さん「対話の重要性」についてそれぞれの切り口から語っておられて。
特に「組織」や「働く人」にとって、対話がいかに重要かということを改めて認識させて頂きました。
そう、大事なんですよ。
対話。
我々は分かり合えない存在だ
このブログでも何度かテーマに上げていますが。
人と人とは分かり合えない存在なんです。基本的に。
だって、あなたが目の前で指を切ったとして、私の指が痛くなることはないじゃないですか。
人はそれぞれ異なる価値観で生きています。
大切にする価値観はそれぞれ異なる、と言ったほうが適切かもしれません。
たとえ同じ価値観を持っていたとしても、それぞれにとっての意味合いは違うものです。
例えば、「愛」という価値観ひとつ取ってみても。
自分を愛すること?
大事なものを愛すること?
世界や宇宙や神からの愛を感じること?
愛する人を守ること?
つねに誰かを愛していること?
熱い愛?暖かな愛?
などなど。
「愛」という価値観ひとつとっても、人によって捉え方は様々です。
2人以上の人が集まる組織には、その大小に関わらず、異なる価値観の人間が集まっているのです。
だからこそ、価値観が異なることを意識せずに働いても上手くいかない。
相手の価値観を受入れて、お互いにとってのより良い道を探る行為
「努力すること」が一番大事だという価値観の人。
「楽しむこと」が一番大事だという価値観の人。
この二人、アリとキリギリスみたいなもので、このままだと絶対ぶつかるんですよね。
特に、何か真剣に協働しようとすると。
そこでステップに分けて、対話していくことが大事になります。
大まかに、修羅 -> 娑婆 -> 天の3ステージに分けてみましょう。
修羅ステージ
Aさんって、なんか合わないから一緒に働くの嫌だなあ。
普通、〇〇するべきじゃない?おかしいよね、Bさん。
Aさんって、基本的に仕事出来ない人だよね。
Bさんって、人の批判ばかりして生産性低い人だよね。
修羅ステージは、異なる価値観を持った人たちが、互いに互いを傷つけ合う、まさに修羅の世界です。
特徴としては。
・互いの価値観をぶつけ合い、自分にとって合わないことを否定し続ける。
・問題と人が融合している。
・相手をコントロールできると思っている
ことが多いですね。
つまり、悪いのはこの人の【人間性】であって、私ではないという感覚。
ここで大事なのは、まず自分の価値観を棚卸しすることです。
そもそも修羅ステージに巻き込まれている人たちは、相手が自分と異なる価値観で生きている、という事実を受け入れていません。
なので、相手が自分の意図と異なる行動を取ることが許せない。
そして、自分自身がどんな価値観で生きているのかも把握していない。
なので、自分が何故イライラするのかもわかっていないことが多いです。
(なんとなくアイツの行動がムカつく、という感じ)
そこで、まずは自分自身の価値観を棚卸ししてみることです。
そして、その価値観を相手と共有し、対話を始めることができます。
娑婆ステージ
Aさんの価値観ではこれはやらなさそうだから、私がやろう。。
Bさんってこういうの苦手だから、お願いするの申し訳ないな…
あ、Aさんもう帰っちゃった、そうか。価値観違うもんな。。
Bさん、メール返信遅いな、、まあ仕方ないか。。人それぞれだし。
娑婆ステージです。
互いの価値観を共有し、対話を始めた結果、修羅の国からようやく出てこれました。
おめでとうございます!
あれ、でもなんか、幸せそうじゃありませんね、、
そう、互いの価値観を共有し合い、理解したのは良いのですが、今度は相手の価値観を気にしすぎるあまり、一体感ゼロですよね。
なんかこう、修羅時代とは別のギクシャクを感じます。
特徴としては。
・ 人それぞれだよね、という趣旨の会話が多くなる
・ 一体感に欠ける
・(人によっては) 不公平感が出る
まさにアリとキリギリス。
アリさんグループからは、「なんでキリギリスばっかり?」みたいな声を上げる方も出てくるかもしれません。
では、どうすればよいのか。
価値観や情報を共有するだけでなく、もう一歩踏み込んで対話をしてみましょう。
つまり。
相手の価値観を受け入れた上で、共通のゴールや目的に向かってそれぞれ何ができるのか。
を、話し合います。
決してどちらかの価値観を曲げたり我慢したりすることなく。
うまくいく役割やうまくいく方法を互いに対話しながら見つけていくこと。
犬と猿は犬猿の中ですが、一緒に鬼退治に行くという目的の中では協働出来たわけです。
( どういう対話が為されたのかはわかりませんが…)
もしかしたら、哺乳類としての共通の目的があったのかも。
対話というのは情報交換ではなく、互いに新しい意味を作っていく創作活動です。
せっかく、互いの価値観を共有したのであれば、それぞれの価値観がうまく映えるようなやり方を一緒になって作ってみましょう。
天ステージ
私が集客と進行管理しますので、Aさんは得意のプレゼンお願いします!
Bさんいつもありがとう!最高のプレゼンに仕上げます!
Aさんのようなプレゼン、とても良いので多くの人に見てもらいたい!集客頑張るぞ!
Bさんが良いお客さん連れてきてくれるので、やる気が出る。プレゼンは任せて!
おめでとうございます。天のステージですね。
互いの価値観を共有し、受け入れる。
それぞれの価値観を大事にしながら、どう活かすか、新しい道を作り出す。
これが、対話が持つ力、(の一部)です。
いかがでしたか。
みなさんの職場はどのステージの色が濃いでしょうか。
ぜひ、対話を通して、天のステージを目指してみてくださいね。
それでは、本日はこのへんで。
皆様今日も幸福な一日を。
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